もう10年くらい前になりますが、新人の頃はただがむしゃらでした。入社して座学研修を終えたばかりでOJT（on the job training）が始まるとすぐにゴールデンウィークを迎え、案内カウンターは大混雑でした。まだロケーションを少し覚えた程度であった私は、先輩たちの手伝いをすることもままなりませんでした。でもそんな中でも自分のできることを精一杯やり、少しは役に立ててることを実感した時は嬉しかったです。その嬉しさを励みに、自分の知識を持ってお客様に向き合えるようになるため、日々努力を重ねていた気がします。それが少しずつ自信にもつながり、ちょっとしたイレギュラーな出来事でさえ同期への自慢話へと変わり、あまり壁を感じず前向きに頑張れてきた感じがしています。進歩はしたと思ってますが、いい意味であまり変化のない10年だったのかもしれません。今でも毎日が楽しいです。

やはり私達が羽田空港のコア

以前キャビンアテンダントに憧れを持っていた入社当初の私は、仕事も目立たないし制服も地味だなと思っている部分がありました。ただ、仕事を覚えていくにつれ、各航空会社の方々や関連会社の方々など、常に私達中心に情報のやり取りを行っていると自覚しはじめてからは、やはり私達が羽田空港のコアなんだと実感することができました。それからは情報をうまくお客様にお伝えできるよう、自分自身も成長しなくてはなりませんし、その上でお客様のお役に立てなければならない、私達が羽田空港の顔なんだと思えるようになったのです。また、それをきっかけにますます仕事が楽しくなりました。
ただ、カウンター業務と言ってもインフォメーション以外の業務比率も高く、チケット販売などの営業的な仕事を含め、裏方として必要な準備や事務作業、案内に関する様々な予備知識の習得など、覚えることも多々ありました。新人の頃は先輩に付いてもらってカウンターに立つのですが、業務を覚えて一人で対応できるようになるまで、当時は全フロアーの全てのカウンター業務を覚え終えるのに1年近くもかかります。大変ではありましたが、覚える楽しさのようなものがあり、同期と競争して次々とマスターしていった思い出があります。
また、自分では精一杯の接客をしているつもりでも、先輩を見ているとまだまだだと感じさせられることも多くありました。先輩方の気付きや対応の心配り、また配慮はとても勉強になりましたし、お客様への向き合い方の根本を教わることができました。
仕事面だけではなく、プライベートでも食事などによく連れて行っていただき、そこでもいろいろなことを教わりました。寮生活であったことも影響していたのかもしれませんが、とにかく会社の人たちとは仲も良く、食事などに行く機会も多かったです。

自分の経験や反省をそのまま後輩指導に

今は後輩に指導する立場なのですが、これまでの経験を活かし、今この立場で仕事をしていることが楽しいです。自分が昔、先輩から教えてもらったこと、またその時に自分でもっとやっておけば良かったことなど、そんな自分自身の経験や反省をストレートに後輩指導に活かしています。とても楽しいですし、今の私にとって大きなやりがいになっています。

気付くからこそ溜まるストレス

接客がメインとなる仕事なので、ストレスを溜めないタイプの方や、自分の言いたいことを表に出せる方などがこの仕事には向いているのではないかと思います。接客などの気付きを要求される仕事に関して、気付けるからこそ溜まってしまうストレスや掛かるプレッシャーなどが絶対に出てきます。気付きは諸刃の剣なので、自分の中だけに溜めてしまわず、自分の今の状況を表に出せるような元気で明るい方がいいと思います。

未来の後輩に向けてメッセージを

本当に人とのつながりを強く感じられる仕事です。人生の中で空港を利用されるお客様との一瞬一瞬が真心と感謝で綴られていくような、そんなやりがいと誇りのある仕事です。覚えることも多く大変なことも多いと思いますが、是非一緒に頑張りましょう。